オキシデーションディッチ法

オキシデーションディッチ法は、下水処理における活性汚泥法の一種で、長い溝状の反応槽で好気性微生物による有機物の分解を行います。

連続した環状の水路で曝気・撹拌を行い、安定した処理性能と耐衝撃性を持ちます。

設備の簡素化と運転管理の容易さから、中小規模の下水処理場で広く採用されています。

オキシデーションディッチ法とは

オキシデーションディッチ法(Oxidation Ditch Method)は、環状または楕円形の長い溝状の反応槽内で、曝気と撹拌を同時に行い、好気性微生物によって有機物を分解する活性汚泥法の一種です。反応槽内の水は連続的に循環し、均一な処理環境が保たれます。

オキシデーションディッチ法の特徴

この処理法の主な特徴は以下の通りです:

    簡素な設備構成
  • 反応槽と沈殿槽が一体化しており、設備がコンパクトであるため、建設コストを抑えられます。
  • 安定した処理性能
  • 長い滞留時間と高い汚泥濃度により、有機物や窒素、リンの除去効率が高いです。
  • 耐衝撃負荷性
  • 流入負荷の変動や有害物質の流入に対しても、処理性能が安定しています。
  • 運転管理の容易さ
  • 複雑な制御が不要で、運転・維持管理が比較的簡単です。

オキシデーションディッチ法の仕組み

処理プロセスは以下の通りです:

    曝気・撹拌
  • 水車型曝気機(ローター)や表面曝気機を用いて、水を撹拌しながら酸素を供給します。これにより、微生物が活性化され、有機物の分解が進みます。
  • 循環流の形成
  • 槽内の水は連続的に循環し、全体で均一な反応環境を保ちます。デッドスペースが少なく、効率的な処理が可能です。
  • 沈殿・分離
  • 反応槽の一部または別途設けた沈殿槽で、処理水と汚泥を分離します。上澄みは放流または再利用され、沈降した汚泥は一部返送され、残りは排出されます。

オキシデーションディッチ法の適用事例

この方法は以下のような施設で広く採用されています:

    中小規模の下水処理場
  • 都市部や農村部の下水処理に適しており、導入コストと運転管理の負担が低減できます。
  • 産業廃水処理
  • 食品工場や酪農場など、有機物濃度の高い廃水の処理に効果的です。
  • リゾート施設やキャンプ場
  • 季節的な負荷変動に強く、安定した処理が可能なため、観光施設での利用が進んでいます。

オキシデーションディッチ法の課題と対策

運用における課題とその対策は以下の通りです:

    占有面積の確保
  • 長い溝状の反応槽を設置するため、一定の敷地面積が必要です。土地の有効活用や多段式の設計で対応します。
  • 汚泥膨化の防止
  • 糸状菌の増殖による汚泥膨化が発生することがあります。定期的な汚泥排出や曝気量の調整で予防します。
  • エネルギー消費の抑制
  • 曝気・撹拌にエネルギーが必要なため、高効率な曝気機の採用や運転制御の最適化でエネルギー消費を削減します。

まとめ

オキシデーションディッチ法は、設備が簡素で運転管理が容易な活性汚泥法の一種であり、中小規模の下水処理や産業廃水処理において有効な技術です。適切な設計と運用により、安定した処理性能と環境保全に貢献します。