NOM(自然由来有機物)
NOM(自然由来有機物)は、自然環境中の植物や微生物の分解によって生じる有機物質の総称です。
水処理において、NOMは水の色、におい、味に影響を与え、消毒副生成物(DBPs)の原因となります。
NOMの除去は、安全で美味しい水を供給するために重要であり、さまざまな処理技術が用いられます。
NOMとは何か
NOM(Natural Organic Matter、自然由来有機物)は、自然環境に存在する有機物質の総称であり、主に植物、動物、微生物の分解産物から構成されています。これらの有機物は、土壌や水中に存在し、水源となる河川や湖沼、地下水に溶け込んでいます。
NOMの種類と特性
NOMは、その起源や特性によりさまざまな形態をとります。主な成分と特性は以下の通りです:
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フミン物質
- フミン酸やフルボ酸などの高分子有機物で、土壌や腐植物から生成されます。水に色を付ける原因となります。 疎水性有機物
- 芳香族化合物や長鎖脂肪酸など、水に溶けにくい性質を持ちます。 親水性有機物
- 炭水化物、タンパク質、アミノ酸など、水に溶けやすい低分子有機物です。
NOMが水質に与える影響
NOMは、水の物理的・化学的性質に影響を与えます:
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色やにおいの発生
- NOMの存在により、水が黄色や茶色に着色し、特有のにおいを放つことがあります。 消毒副生成物(DBPs)の生成
- 水の消毒時に、NOMが塩素などの消毒剤と反応して、トリハロメタン(THMs)などの有害な消毒副生成物を生成する可能性があります。 微生物の増殖
- NOMは微生物の栄養源となり、水中での微生物増殖を促進します。 膜ファウリングの原因
- 水処理膜の表面にNOMが付着し、膜の透過性能を低下させます。
NOMの除去方法
NOMを効果的に除去するためには、以下の処理技術が用いられます:
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凝集・沈殿処理
- 凝集剤を添加してNOMをフロック化し、沈殿させて除去します。特にフミン物質のような高分子有機物に有効です。 活性炭吸着
- 活性炭の表面にNOMを吸着させて除去します。水の色やにおいの改善に効果的です。 膜分離プロセス
- 超ろ過膜やナノろ過膜を用いて、NOMを物理的に分離します。高い除去率が得られますが、膜ファウリングの管理が必要です。 生物処理
- 生物活性炭(BAC)や生物ろ床を用いて、微生物の働きでNOMを分解します。 酸化処理
- オゾンや紫外線などでNOMを酸化・分解します。ただし、副生成物の生成に注意が必要です。
NOM除去の重要性
NOMの適切な除去は、水質の改善と安全性の確保に直結します:
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健康リスクの低減
- 消毒副生成物の生成を抑制し、健康被害のリスクを減らします。 水の美味しさの向上
- 色やにおいを除去することで、飲料水の品質が向上します。 設備の長寿命化
- 膜ファウリングや配管のバイオフィルム形成を防ぎ、設備のメンテナンスコストを削減します。
まとめ
NOM(自然由来有機物)は、水源に広く存在し、水質に多大な影響を与える物質です。適切な処理技術を用いてNOMを除去することで、安全で美味しい水の供給と水処理設備の効率的な運用が可能となります。その特性や影響を理解し、効果的な対策を講じることが重要です。